議会報告
平成28年 第3回定例会 討論

日野 たかし 議員

討論

ただいま上程されました第4号陳情から第7号陳情に対し、公明党議員団の立場から、第4号陳情、第7号陳情に賛成、第5号陳情、第6号陳情に反対の討論を行います。
 区立幼稚園の廃園、民間の認定こども園への転換という案は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)策定中の改定素案で突如示されたものであり、我が党としても唐突感は否めないところです。今回の陳情については、区立幼稚園にお子さんを通わせる保護者の方々から、この拙速過ぎる区の方針について理解できず、戸惑いと不安から、気持ちを表明しなくてはとのはやる思いで急遽提出されたものであると推察します。そのため、陳情としては提案者が重なっているが、内容においては整合性が図れない部分もあるなど、審査の中で難しい点もありました。しかし、保護者の方たちの思いは十分に酌み取ることができると感じておりますし、第4号陳情には、今定例会までに1万3,371筆の署名が携えられております。
 その上で、第4号陳情に対しての賛成理由を申し上げます。我が会派は、これまで幼児教育の重要性を常々訴えてまいりました。また、保幼小中連携については、学びの継続性において重要な課題であり、幼児教育と学校教育をつなぐ上でも、同じ区立という立場で、区立幼稚園のこれまで果たしてきた役割は非常に大きいと評価しています。中野区教育委員会が平成24年12月に策定した就学前教育プログラムを実行する中で、教育の連携を推進する上でも、区立幼稚園は大きな役割を担ってきました。そうした点からも、4号陳情の「区立幼稚園が担っている役割と区立幼稚園の存在意義を考え、最低限の数、2園の存続を願います」との主旨は賛同できます。
 我が会派は、公立・私立を問わず、幼稚園・保育園を問わず、中野区の全ての子どもたちに一定水準の教育、保育を担保する上で、区が幼児教育の機関を担っていることは非常に重要であると考えています。さらには、陳情には、保護者の方たちにとっての経済的な負担についての不安も記されています。現在、国で議論の進む幼児教育振興法案では、幼児教育の重要性に鑑み、地方公共団体は、政府の方針を参酌し、地方幼児教育振興方針を定めるよう努めると、その基本方針に示されています。また、基本的施策では無償化の推進が示され、「幼児教育を無償とすることに向けた措置を、これに要する財源を確保しつつ段階的に推進する」とされています。これら国の動きもある中で、4号陳情の主旨については賛同できるものであり、賛成いたします。
 次に、第7号陳情の賛成理由を申し上げます。第7号陳情の主旨は、「区立幼稚園の廃止については、身体障害や発達障害及びその手前の子どもたちの幼稚園受け入れのための支援環境が整い、その実績ができるまで進めないでください」というものです。これまで我が党は、幼児教育・保育における障害児の受け入れについて、たびたび議会で提案し要望してきました。そもそも、障害のある子もない子も平等に教育・保育の機会を得られるべきであります。しかし、現実にはそれぞれの教育・保育の現場での課題もあり、障害児の受け入れについては充足されていないことも事実であります。こうした状況の中、これまで区立幼稚園では、障害のある児童、就学前に課題を抱える特別な支援を必要とする園児を数多く受けとめてきています。そして、その区立幼稚園の中で、特別な支援を必要とする園児が温かく育まれ、地域の子どもたちと一緒に成長する姿に、他の園児も保護者もともに成長し学ぶことのできるすばらしい機会を得ることができています。特別支援教育が進められてきている今日、区立幼稚園のこの姿は、区の就学前教育のモデルとなる姿であり、十分に検証し、中野区内の他の幼稚園、保育園でも、特別な支援を必要とする園児を受けとめることのできる仕組みづくりに生かしていただくことを求めます。
 さきに述べた幼児教育振興法案でも、「障害のある子供がその特性を踏まえた十分な幼児教育を受けられるよう配慮されること」と基本理念に示されています。中野区でも、現在、子ども・子育て会議での就学前教育のあり方が課題となっておりますが、障害児教育・保育の充実した環境を整えることについても十分に検討し、実現に向けた取り組みを推進すべきであり、陳情の主旨とも同じ方向を示していると考え、第7号陳情に賛成いたします。
 次に、第5号陳情の反対理由ですが、第5号陳情は「区立幼稚園の廃止については地域・保護者の合意なくして進めないでください」との主旨です。陳情者の思いは理解できますが、地域・保護者の合意については、その範囲や期間など判断が非常に難しく、陳情としては採択することができません。
 第6号陳情については、「こども園の誘致・新設と区立幼稚園の廃園を同時に進めないでください」との主旨であります。新しい中野をつくる10か年計画では、認定こども園の新設の計画が示されています。我が党は、これまで認定こども園の重要性に鑑み、こども園開設については推進の立場であります。陳情者自身も認定こども園の誘致・新設は必要不可欠であると述べられているとおり、むしろ、この陳情の主旨は区立幼稚園の存続を願うことであったのではないかと受けとめております。その意味からは、必ずしもこども園と並べて記す必要がないのではないか、むしろ真意が伝わりにくく誤解を招くことも懸念し、陳情については反対いたします。
 このたびの陳情審査の中で、区立幼稚園のために、また幼稚園に通う子どもたちのために、区立幼稚園を残したいと行動される保護者の方たちの深い愛情と熱意には心打たれるものがありました。また、区立幼稚園はこれまで区と保護者が一体となり、地域に根差したすばらしい教育施設としてつくり上げてこられたことも実感いたしました。中野区のこれからの就学前教育においても、地域の子育て力には大変頼もしく感じますし、ここまでの熱い思いがあるからこそ、区立幼稚園の教育が充実してきたのであろうと推察します。この保護者の皆さんの期待に応えるためにも、これからの中野区の就学前教育をさらに充実させることを願って、討論といたします。