平成29年 第1回定例会 賛成討論 甲田 ゆり子議員
2017年3月10日
ただいま上程されました第5号議案、平成29年度一般会計予算につきまして、公明党議員団の立場で賛成討論を行います。
平成29年度の一般会計予算は、1,293億4,600万円で、前年度と比べ10億3,400万円、0.8%の増となりました。平成29年度は、新しい中野をつくる10か年計画(第3次)の八つの戦略に基づき、中野駅周辺まちづくりや平和の森公園再整備等、区が取り組むべき施策を着実に実施し、直面する政策課題についても的確に対応するための予算編成としています。
歳入では、一般財源においては、区の基幹収入である特別区税は、ふるさと納税でおよそ7億円の減収はあるものの、納税義務者数の増等を見込み、前年度に比べ2.6%増、金額で8億2,900万円余の増となり、325億7,600万円余となりました。
しかし、平成24年度以降、安定した伸びを示していた特別区交付金は、その財源である固定資産税が伸びる一方、市町村民税法人分については、景気の影響などから減収となり、中野区では前年度比3.4%、12億円減の338億円となりました。
区は、最も重要な財源である特別区税については、徴収率及び収納率の目標を定め、これを達成するため、「徴収体制と徹底した取り組みをより推進し、確実な税収の確保に努める」とされていることには期待をするものです。
特定財源においては、大規模公園整備や(仮称)弥生町六丁目公園用地取得費等により国庫支出金が8.1%増の252億4,200万円余、待機児童解消支援等に伴い都支出金は32.7%増の104億9,100万円余と増加しています。全ての事業について、適用可能な国や都の補助金を再度調査し、最大限の活用を図るという区の歳入確保のあり方については、会派として強く求めてきたことであり、異論のないところです。今後も、国や都の補助金の該当事業が判明した場合には、適切な対応をとられることを望みます。
歳出については、これまで我が会派として要望してきた内容が随所に盛り込まれています。教育面では、小学校英語教育の充実、中学校ICT環境の充実、冷房化やトイレ洋式化など小・中学校の環境改善に向けた計画的な改修、子育て支援については、保育士人材確保事業、病児保育事業の新規実施、また、不妊相談支援事業については会派として求めてきた区独自の不妊治療助成同様の効果を期待するものです。
また、B型肝炎ワクチン定期予防接種の未完了者への費用助成、小児インフルエンザワクチン及びおたふくかぜワクチン予防接種の一部費用助成、骨髄移植ドナー支援、女性のがん検診の受診勧奨など、区民の健康増進のための事業が推進されます。
さらに、(仮称)中野区空家等対策基本計画の策定、豪雨対策実施計画策定、木造住宅密集地域整備、弥生町まちづくり、大和町まちづくり、防犯カメラ設置及び設置状況調査など、安全安心なまちづくりの進展が図られます。
来年度は、介護予防・日常生活支援総合事業もスタートし、慎重に準備を進めてきた地域包括ケア体制が推進されます。
3.11東日本大震災よりあすで6年を迎えますが、復興はいまだ道半ばであり、被災地支援を目的とした東北復興大祭典、棟方志功サミットの開催、被災自治体への職員の継続派遣については高く評価するものです。
喫緊の課題と言われて久しい保育園の待機児童解消については、29年度は民間保育施設新規開設支援として、27億7,141万円余の予算を計上しています。さらに、施設の更新や定員の拡大を図るため、区立保育園民設民営化を進めるとしています。一日も早い保育園の待機児童の解消の実現を目指し、着実な事業実施を図るためのたゆみない努力を求めます。
この際、件数の増加が目立つ債務負担行為について一言申し上げておきます。地方公共団体の予算については、会計年度独立の原則が適用され、単年度主義が図られていますが、債務負担行為は単年度主義の例外として認められています。平成29年度一般会計予算では、新規に40件の債務負担行為を設定し、その限度額は152億7,752万8,000円、新規分の30年度への影響額は72億4,716万3,000円となります。さらに、継続分も含めた債務負担行為の総額は、276億2,068万4,000円であり、翌年度以降の財政運営を拘束するものです。このことを十分に踏まえ、区は複数年にまたがる事業を効果的に、また、着実に行う責任のあることを指摘しておきます。
最後に、共産党から提出された組み替え動議については、根拠に乏しい、耳ざわりのよい言葉を並べ、区民を欺くものであると申し上げ、賛成の討論といたします。